エコメッセとは
「エコメッセ」は、自然との共生を優先したまちづくりを実践し、環境に負担をかけない循環型社会を作り出す環境まちづくりNPOです。
地域の「チャリティショップ」を拠点に、売上の一部を環境活動の資金として活用し、緑豊かな街並みや自然エネルギーの普及で、環境に負荷をかけない暮らしの実現をめざしています。
「エコメッセのチャリティショップ」は都内に14店舗あります。
理事長挨拶
2002年7月28日のエコメッセの設立趣旨書には、化石燃料の消費、熱帯雨林の伐採のペースが地球の生態系にダメージを与え、将来の世代がこうむる被害の大きさは想像を絶する・・「といわれている」と前置きが書かれていました。20年目を迎えている今、まさに気候危機は身近な問題になっています。そしてロシア軍がウクライナに侵攻するにつれ、民間人と環境への甚大な影響を目の当たりにし恐怖を感じています。断固として戦争には反対します。戦争は、人類と自然に起こりうる最悪の事態です。
2021年度もエコメッセはコロナ禍の影響を受けながらも、チャリティショップを運営してきました。またエコメッセの活動を広げるため、新たな販路拡大を探るため、理事、マネージャーが販売促進戦略チームを組み毎月会議をしました。生活クラブのお店デポーの組合員室を借りて、リユース着物等の販売を中心に出張エコメッセにも取り組みました。大いに成果を上げることができました。対面で開催する会議や着物の知識の研修等を通じて、ショップに関わるマネージャーたちも学びや悩みを分かち合い活気づいていました。
2022年エコメッセは、20年目を迎えています。趣旨書にある「市民が中心」となって「環境に負荷をかけない循環型社会をめざすまちづくり」の原点をみんなで考えていきたいと思います。当たり前すぎて意識もしないことが、実はキワキワのところで持ち耐えていることは身近なところでも起こっています。「伝える」「学ぶ」ことはもちろん、そこを良いデザイン、コミュニケーションで楽しく社会に馴染ませるのもエコメッセの役割だと思っています。地域の中に拠点があり、地域と顔が見える関係性を紡ぐ人がいるエコメッセの強みを活かす「環境」と「まちづくり」に取り組んでいきます。
2022年6月 理事長 大嶽貴恵
エコメッセ設立趣旨書
20世紀は工業化と都市化の世紀であり、科学技術が飛躍的に革新されました。高度に発達した近代技術は生産性を著しく向上させ、人々に物的豊かさをもたらしました。しかし、20世紀後半、その経済成長による豊かさは、自然環境の著しい破壊をともなっていることが明確になりました。化石燃料の消費や熱帯雨林の伐採が今のペースで続けば、地球の生態系に計り知れないダメージを与え、将来の世代がこうむる被害の大きさは想像を絶するものになるといわれています。また、科学技術は、処理不可能な有害な化学物質や核兵器・原子力発電所といった、地球や人類の存在を脅かすものまでもつくり出してしまいました。
日本では、戦後の経済成長の過程で経済効率を優先した結果、人間の生存にとって一番重要な「自然との共生」というテーマをないがしろにし、環境を犠牲に経済成長する開発優先の国をつくりあげてきました。その結果、自然は失われ、豊かな自然との関わりの中で築きあげられてきた地域社会は、今まさに崩壊寸前です。有明海や長良川河口堰の問題はその象徴的なものですが、身近にも都市開発やマンションの建設に伴う環境破壊など様々な問題が噴出しています。
私たちはこのような事態を解決するために、市民が中心となって環境に負荷をかけない循環型社会をめざすまちづくりを進め、汚染された大気、水、土壌を甦らせたいと考えます。生活の現場である「地域」から自然環境破壊に対して取組みが行われ、自然との共生を最優先した「まちづくり」の試みを開始することは、人々の意識と生活の変革を促すことになり、ひいては経済や政治、文化への視点を大きく転換させるものと考えます。 それは、自動車の進入しない、誰もが「歩きたくなる」ような市街地や、緑豊かな「住みたくなる」まちの創造、自然エネルギーの活用で環境負荷のない暮らしの実現など、20世紀型の経済成長が破壊した環境を再生し、実現できなかった自然との共生社会をめざす試みです。環境を損なわない新しい経済の活性化は、地域社会をグローバルな市場経済の専横から守り、人間の生活の場としての自立的な地域社会につくり変えます。
わたしたち生活クラブ運動グループでは、市民による新しい公共システムづくりと新たなコミュニティ形成をキーワードに21世紀のまちづくりを展望しています。そのためには、市民社会が強化され、市民が主導するまちづくりを促進するための機能を、多様につくりあう必要があります。
わたしたちは、21世紀を「環境」と「コミュニティ」の世紀にするために、環境まちづくりNPO「エコメッセ」を設立します。
2002年7月28日
チャリティショップとは
日本ではまだ少ないチャリティショップですが、欧米や韓国などでは広く普及しており、70年の歴史を持つイギリスでは、国際協力のみならず、動物や自然保護、障がい者への支援、医療支援などを目的とした店が10,000店以上あります。
チャリティショップは、不用品リユース(再使用)の受け皿、非営利団体の資金獲得および情報発信の場、市民のボランティア活動の場として期待されています。その活動がもっと知られるようになり、もっと参加する人が増えてほしい。そんな願いを込めて、エコメッセは、日本チャリティショップネットワークに参加し、チャリティショップの普及を目指しています。